中国マーケティングラボ

リアルな現役中国インフルエンサー/網紅(ワンホン)へのロングインタビュー!網紅(ワンホン)が語る人任せにしない「選別力」とは?【中国越境EC&インバウンドで成功するブランディング術】

 

網紅が教える、日本企業が網紅を活用する際に気を付けたいこととは?
網紅が語る人任せにしない「選別力」とは?
中国で活躍する現役インフルエンサー/網紅(ワンホン)にたっぷりと聞きました!

 

リアルな現役中国インフルエンサー/網紅(ワンホン)へのロングインタビュー!網紅(ワンホン)が語る人任せにしない「選別力」とは?


こんにちは、アイディール小林です。
今回のコラムは普段とは趣向を変えて、当社にて中国インフルエンサー/網紅(ワンホン)へのインタビューを実施し、日本企業が網紅を活用する際のヒントを直接レクチャーして貰いました。


プラットフォームやエージェントではなく、実際に情報を発信している網紅である陶沙さんが自ら語る「選別力を得るススメ」について、ぜひご一読ください!

 

 

★陶沙さんプロフィール

 

桃子与司康

桃子与司康 微博(Weibo)アカウント
http://www.weibo.com/p/1035052167582977/

 

中国SNS微博(ウェイボ)で「桃子与司康」という名前で網紅として活躍している。経営者としての一面も持ち、インバウンド促進のPRコンサル、日本と中国企業の海外進出についてのコンサル、日本のファッションやライフスタイルを紹介するコンテンツ動画作成などを手掛けている。作家としても活躍しており、8月に書籍を出版予定。また、AbemaTVにゲストとして出演されるなど、活動範囲は多岐にわたる。

 

 

 

〇「網紅」っていったい何者?

 

桃子与司康 投稿画像


――網紅は中国で今とてつもない盛り上がりを見せていますが、ここに至るまでにどのような経緯があったのでしょうか?

陶:
まず、網紅の語源に触れます。「網」とはネット、「紅」は人気がある、という意味です。
現在の「ネットでの人気者=網紅」というものが生まれたのは2007年頃で、人人网(人人網: http://www.renren.com/)や豆瓣(豆瓣https://www.douban.com/)というSNSで、自分の日常や写真などを発信することで人気者になる人が出始めました。初期の網紅の特徴は「美人」であるということ。一種のアイドルのような存在ですね。その後様々なジャンルの網紅が登場するようになりました。

 

豆瓣に貼られたこの写真が話題となり、初期の網紅として人気を博した南笙姑娘(ナンシェン・グーニャン)百度百科より
*豆瓣に貼られたこの写真が話題となり、初期の網紅として人気を博した南笙姑娘(ナンシェン・グーニャン)百度百科より

 

――それでは、現在網紅はいったいどのような人たちなのでしょうか?

陶:
現在網紅はただ「美人」だから人気がある、という人たちばかりではありません。微博などのSNSに投稿するコンテンツそのものが面白くて人気になる人がたくさんいます。動画や静止画でおもしろいことをやってみたり、化粧品を紹介したり…そこからビジネスに発展したり、また逆にビジネス方面から網紅になったりなど、網紅の種類も活躍の幅も本当に多岐に渡っています。そして、私のように網紅として活動しながらも、本業として別の職業に就いているという人もたくさんいます。また、ネット上の知名度を利用して商品を売る網紅もたくさん存在します。

 

 

 

〇網紅ビジネスとは?

 

陶沙が語る網紅とは?


――網紅が展開しているビジネスはどうしてここまで盛り上がっているのでしょうか。

陶:
網紅ビジネスの根底は、消費者の「網紅へのあこがれ」というものがあることでなりたっていると思います。たとえば、自分がモデルとなって服や化粧品を売っている網紅がいます。網紅は自分が売りたい服を着て、手にはエルメスなどの高級バッグを持ち、写真をSNSにアップするんです。そうすると、このエルメスは買えないけど、この服を着れば、この網紅のような高級感のある人に近づける!ということで、網紅からその服を購入します。

 

――網紅と企業の関係について教えてください。

陶:
みなさんご存知の通り、中国でも日本でも、この網紅を利用し、自社の商品を宣伝してもらおうと考える企業はたくさん存在します。今では宣伝のために、自社で専任の網紅を抱えている会社もあり、今後は自社で網紅を育てるような会社ももっと増えていくだろうと予想されています。また網紅を複数抱える、いわゆる芸能事務所のような会社も存在します。このような会社は今すごく儲かっていますね。

 

 

 

〇日本企業が網紅を活用する際のヒントとは?

 

本企業が網紅を活用する際のヒントとは?

 

――日本の会社でも網紅を使ったプロモーション考える企業が増えてきました。初めて活用する日本企業は分からないことや不安が多いと思いますが、陶さんがよく聞くトラブルや失敗談はありますか?

陶:
日本企業が網紅を利用したいと思った際、おそらく多くの企業がエージェントを利用すると思います。しかし、そのエージェントにかなりの手数料を払ったのに、そこまで大きな効果が得られなかった、という話がよくあります。もっと最悪のケースとしては、エージェントに騙されてしまい、大きく損をしたという例ですね。

 

――それは何が原因だと考えていますか?

陶:
もちろん、結果を出せなかったエージェントが悪い、騙したほうが悪いという見方もできますが、エージェント側だけでなく、宣伝をする網紅をきちんと選別できなかった日本企業にも問題があると思います。何も分からないからとりあえずエージェントに頼む、という姿勢では、成功をつかむことは難しいです。失敗してしまった会社は、自らの「選別力」をつけるべきだったと私は思います。

 

――「選別力」とは具体的にどういうことですか?

陶:
例えばエージェント選び。まず大手、中小という観点をなくしてください。日本企業は、大手は大手に頼むという印象がとても強いです。そうではなく、自分たちの目で、どのエージェントを使ってどのような網紅に頼むのが最適であるかをしっかりと見極めるべきです。面倒な手間を省いて、エージェントにすべて丸投げをしてはいけないと思います。

 

――宣伝をしてもらう網紅を選ぶとき、どのような点に注意すればいいのでしょうか?

陶:
まずは、網紅の特性をしっかりと理解することだと思います。最初に申し上げましたとおり一口に網紅といっても、本当に様々な網紅が存在します。たとえば、40代向けの化粧品を売りたいのに、20代の若い網紅に宣伝をさせてもあまり効果がありませんよね。

また、フォロワーの数の多さ=人気度というわけではない点にも注意してください。というのも、実はフォロワー、コメント、リツイートはお金で買えるんです。一見するとその網紅は人気があるように見えるかもしれません。でも、実際はお金で買った人気なので、このような網紅に頼んだとしても宣伝の効果はそんなに大きくないと思います。本当にその網紅が好きでフォローをしているフォロワーに宣伝が出来て、始めて網紅プロモーションの本来の効果が得られます。

 

――中国のことをよくわかっていないと、その判断はなかなか難しそうですね。

陶:
そうですね。中国式のビジネス感覚をつかむことも非常に大切だと思います。

 

――日本企業はいったいどのようにやっていけばいいのでしょうか?

陶:
一番いいのは、社内に中国人、また中国留学経験者など、中国の状況に詳しい人材を置くことですね。それが難しいのであれば、信頼できる代理店をパートナーにすることが非常に大切です。大きな効果を得るためには手間を省かないことです。

 

――中国式をしっかり理解していて日本企業の課題に誠実に対応してくれる代理店をパートナーにするのも「選別力」ですね。

 

 

〇網紅から日本企業に伝えたいこと

 

網紅から日本企業に伝えたいこと


――網紅の中国でのイメージについて教えてください。

陶:
実は、網紅はプラスのイメージばかりではありません。私はここであえてマイナス面をお話しします。
網紅ビジネスは可能性に満ちている一方、中国では網紅のことを「ダサい」と思っている人も多くいます。商品をフォロワーに売りつけ、人気を集めるために整形、画像加工をして綺麗に見せかけ、お金持ちと付き合っている、などマイナスのイメージを持っている人がいるのも事実です。

 

――陶さんは網紅として、この事実をどう受け止めていますか?

陶:
網紅はこのような人たちばかりではありません。たとえば、今中国で一番人気の網紅といえばpapi醤(パピちゃん)ですが、彼女が投稿する動画は非常に知的で、マイナスイメージとはかけ離れています。私はこういったマイナスのイメージを払拭し、もっともっと網紅ビジネスを盛り上げていきたいと考えています。

 

――それでは、最後にこの記事を読んでいる人に伝えたいことはありますか?

陶:
今回私は「網紅を活用したらこんなにいいことがある!」「網紅はすごい!」ということを伝えたかったわけではありません。また、「網紅を使うな!」と言いたいわけでもありません。リアルな網紅の姿をお伝えしたかったのです。網紅の発展のプラス面だけを見るのではなく、こういった問題点も見つめることで、本当に意味のあるプロモーションができると考えています。

騙されたらいやだ、難しそう、ということで敬遠せず、ぜひ網紅を使ったプロモーションにチャレンジしてほしいと思います。可能性は無限大です。でも、その際にはエージェント等に丸投げをするのではなく、自らも選別力をつけていただきたいと思います。

 

――依頼する代理店も起用する網紅も、「信頼できるパートナー」として選ぶ「選別力」が重要ですね。本日は本当に勉強になりました。陶さん、ありがとうございました!

 

左:陶沙 右:株式会社アイディール オペレーションチーム 依田有里佳

左:陶沙 右:インタビュアー/記事編集:株式会社アイディール オペレーションチーム 依田有里佳

 

 


<筆者プロフィール>
小林 淳(Jun Kobayashi) 株式会社アイディール代表
小林 淳(Jun Kobayashi)
株式会社アイディール代表。 世界初のモバイルメールのメディア企業、某大手電機メーカー子会社、CRM系企業の役員を経て、2007年株式会社アイディールを設立。 現在は中国に向けた越境ECを中心に、日本のメーカー企業の中国におけるブランディングやセールスを行っている。
 

中国に向けた越境ECプラットフォーム運営の株式会社アイディール http://ideal-inc.com/

※記事作成アシスタント:株式会社アイディール オペレーションチーム 依田有里佳

 


 

Weibo公式の中国向け広告コンテンツ拡散支援サービス「WEIQ」

Weibo公式の中国向け広告コンテンツ拡散支援サービス「WEIQ(ウェイキュー)」は
中国向け越境ECや訪日中国人へのプロモーションに最適!
中国SNS上のインフルエンサーの影響力を活用して 広告コンテンツの拡散を強力にご支援します!

<サービス詳細> https://www.aainc.co.jp/service/weiq/


■関連記事

【中国越境EC&インバウンドで成功するブランディング術】

・拡大し続ける中国EC市場で壁に当たってしまう日本企業の4タイプ
https://monipla.com/china-smmlab/page/ideal_brand_1

・中国ECで上手くいかない日本企業はユーザーからの信頼を
獲得できていないかもしれない。という大事な話
https://monipla.com/china-smmlab/page/chinabranding-trust

・中国でのブランディングで知っておきたい3つの実践アイデア
https://monipla.com/china-smmlab/page/chinabranding-3ideas

・稼いでいる人はもう始めている!
ライブ動画配信興隆期の「今」知るべき中国ライブコマースの基礎知識
https://monipla.com/china-smmlab/page/china_livecommerce

・まだそんな浅いマーケティング手法に振り回されてるの!?
日本企業が中国ECで考えるべきブランディングの具体策
https://monipla.com/china-smmlab/page/chinafailur

関連する記事

ページTOPへ

キャンセル

キャンセル