中国IT動向をキャッチアップ!月刊中国ネットニュースまとめ【2019年12月号】
中国在住ITライター山谷剛史さんが現地で集めたネット関連ニュースを
まとめてお届けします!
変化の速い中国の状況を把握するために、ぜひチェックしておいていただきたい中国のインターネット関連ニュースを現地在住のITライター山谷剛史さんがまとめてご紹介します!
今月も日本からはなかなかつかみきれないリアルな動向をまとめてキャッチアップ出来ますので、ぜひ最後までチェックしてください。
■2019年のダブルイレブン、1日で6兆円を超す取引額に
天猫と京東のW11ブランド別売上TOP10 左:化粧品 右:家電
「双十一(ダブルイレブン)」などと呼ばれる、11月11日の中国最大のECセール日では、アリババの天猫(Tmall)を、京東(JD)とピンドゥオドゥオが追った。
トップの天猫の取引額は1日で2684億元(約4兆円強)で、前年からさらに549億元(約8500億円)増加した。続く京東は、11月1日から11日までの集計で2044億元(約3兆円超)となった。また星図数据によると、全サイトでの1日での販売額は4101億元と、日本円で6兆円超を記録。この日、16億5700万の小包、つまり人口1人あたり1個以上の小包の注文があったという。記録づくしのセール日となった。
今年は「淘宝直播」などのライブコマースを介した販売手法が話題になった。また物理的な商品販売以外にもフードデリバリーでも去年と比べ、売上額が急増した。
■スマホの保有、ファーウェイが高まる
人気のファーウェイ
調査会社の極光(Aurora)は、2019年第3四半期(7~9月)の中国のスマートフォンの保有状況と販売状況についてまとめた「智能手机行業季度数据研究報告」を発表した。
これによると、同四半期において販売量でファーウェイがメーカー別シェアで32.1%と高いシェアを獲得し、OPPO、vivo、シャオミ(小米)といった他社を引き離した。現在利用されているスマートフォンについてもファーウェイの割合が高まり、3割以上がファーウェイ製品となった。5G対応製品についてもファーウェイのスマートフォンのシェアが圧倒した。
販売モデルの価格については、1000元(約15000円)以下は8.0%、1000~2000元(約1万5000~3万円)が42.5%、2000~3000元(約3万~4万5000円)が38.5%、それ以上が21.1%となっている。これは去年の同じ時期よりも全体的に平均価格があがるという結果に。
■2019年のスマホ出荷台数、日本の10倍以上に
中国信通院によると、2019年1月から11月までの中国でのスマートフォン出荷台数は3億4300万台(前年同期と比べて3.8%減少)。5G対応スマートフォンは835万台。日本の2018年のスマートフォン出荷台数は3116万台ということで、日本のおよそ11倍になる。
また中国工業和信息化部によれば、11月末の段階での4Gユーザー数は12億7500万で、1年間で1億1000万増加したという。
■深センに新しいニューリテールの店「盒馬里」がオープン
盒馬里の特徴のひとつ「盒馬管家」
深センの羅湖区にアリババのニューリテールモール「盒馬里」がオープンした。ニューリテールスーパー「盒馬鮮生」の規模を大きくしたものだ。アリババのニューリテールの思想にのっとり、オフラインとオンライン、どちらでも快適に利用できるようなモールとなっている。
取扱商品は、スーパーの盒馬鮮生に加え、化粧品や日用品販売店やフードコートがある。また小さな子ども連れで楽しめるように、子供向け書籍の充実した書店や、子供向け教室がある。加えてアプリからは、これまでのスーパーの商品注文に加え、掃除やクリーニングなどの出張家事サービスをオーダーできるのが特徴となっている。
盒馬鮮生系の店は、ほかにも盒馬菜市、盒馬mini、盒馬F2、盒馬小站、Pick'ngoというサブブランドの店がある。
■自称「合法の壁越えブラウザー」の酷鳥がリリースも2日で終了
「中国初の合法な壁越えブラウザー」を自称するブラウザー「酷鳥(kuniao)」が突如リリースされた。無名の企業のリリースだったが、20万人がこの間に登録したという。テンセント(騰訊)のクラウドサーバーを活用したサービスで、中国のネットサービスの作法通り、違法な利用用途では利用しないことに同意し、身分証明書と紐付けられた電話番号を登録しないと利用できない。だがリリース2日後に削除された。
■未成年者のオンラインゲーム、ゲーム依存症にならないよう規制へ
中国政府国家新聞出版署は、ネットゲーム依存症防止の為、未成年のゲーム時間を定めた。
内容は、22時から翌8時まで未成年向けにサービスを提供しないものとする。また休日祝日は1日3時間以内、平日は1時間半以内で遊べるものとし、8歳以上16歳未満は1度の課金を50元(約750円)以内に、16歳以上の未成年は100元(約1500円)以内、1ヶ月の課金額を400元以内にするというもの。
■中国版ナンバーポータビリティー、中国全土で開始
ナンバーポータビリティー(携号転網服務)のサービスが中国全土で正式にスタートした。これまでは5つの省で試験サービスを行っていた。今後は番号を変えずに、中国移動(チャイナモバイル)、中国聯通(チャイナユニコム)、中国電信(チャイナテレコム)のキャリアを変えることができるようになる。
■中国発「世界5G大会」が開催
北京で「世界5G大会」が開催された。これは主に5G関連の中国企業が集まり製品を展示したり、有力企業の代表がセミナーを行うというもの。スマートシティ、スマート教育、スーパーハイビジョン、スマート交通、スマート医療、産業インターネットなどの展示やフォーラムがあった。中国の最新5G導入事例や、導入技術を見たければ、来年の秋冬に開催される次回の同大会の参加を検討しよう。
山谷剛史(Takeshi Yamaya)
フリーランスライター。
2002年より中国・アセアン諸国・インドのコンシューマーIT中心に、「ニュース+実体験」をもとにリアルな現地事情を執筆している。
連載は『中国トレンド通信(日経トレンディネット)』『ニーハオ!中国デジモノ(同)』『ミライチャイナ(ITMedia)』『アジアIT小話(ASCII.jp)』など多数。
著書は『中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立(星海社新書)』など。
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