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中国IT動向をキャッチアップ!月刊中国ネットニュースまとめ【2019年8月号】

中国在住ITライター山谷剛史さんが現地で集めたネット関連ニュースをまとめてお届けします!

中国IT動向をキャッチアップ!月刊中国ネットニュースまとめ【2019年8月号】

変化の速い中国の状況を把握するために、ぜひチェックしておいていただきたい中国のインターネット関連ニュースを現地在住のITライター山谷剛史さんがまとめてご紹介します!

今月も日本からはなかなかつかみきれないリアルな動向をまとめてキャッチアップ出来ますので、ぜひ最後までチェックしてください。

 

 

■多くの中国のホテルに隠しカメラ、動画はネットで取引

「閑魚」で売られる盗撮用カメラ

 

 中国のホテルの多くに隠しカメラが仕込まれていると、中国メディアの南方都市報が報じ、話題となった。先の6月に深センのユニクロの試着室や河南省鄭州のホテルで隠しカメラが見つかり話題になったあと、南方都市報が掘り下げた。

 報道によれば、盗撮された動画は、毎月100~300元で犯罪グループから代理店に売られ、さらに200~400元の値段で一般ユーザーに売られるという。盗撮用の小型カメラはホテルではなく、専門の犯罪グループが仕掛け、しばらくして回収する。山東省済寧市の警察が容疑者を逮捕したときには、ライトやエアコンなどに隠された300の隠しカメラと10万超のホテル内の盗撮映像を押収したとしている。

 同誌記者は、アリババの中古ECサイト「閑魚」で、多数の盗撮用カメラが100~400元(約1500~6000円)で売られていることを指摘。ルーターや時計やモバイルバッテリーやシェーバーやカレンダーや電気蚊取り器など様々な種類のものが売られていると紹介した。

※左写真は「閑魚」で売られる盗撮用カメラ

 

 

■口コミ系ECの「小紅書(RED)」、ダウンロードできず

 

小紅書のレポート

小紅書のレポート

 

 口コミ系ECアプリの小紅書(RED)が、7月末よりアプリストアからなくなり、インストールができなくなった。この状況はしばらく続くと言われている。

 小紅書は買われた虚偽の「いいね」やフォロワーが多数あることは認識している。同社が7月中旬に発表した「2019年二季度社区反作弊報告」によると、1日平均5000件超の書き込みが自動処理および人力処理で消されているという。またグレー、あるいはアウトな商品が売られているという情報もあり、こうしたことが背景にあることが予想される。

 

 

■早道教育「小語種・大世界」 高考日語・千校計画

 

早道日語

早道日語

 

 日本語のオンライン教育を行う「早道教育」は、本社のある大連で「千万人共学小語種計画」を発表した。2022年までに累計1000万人が同社のサービスで日本語などを学ぶこと、また日本のセンター試験に相当する「高考」の日本語試験にも対応できる高校を、同社のサポートにより1000校まで増やすという目標を立てた。

 中国では現在、オンライン教育(K12と呼ばれる)関連の新興企業が続々と登場している。その多くは、英語や幼児教育や芸術系だ。各サービスがライブチャット機能やAIなど様々な技術トレンドを取り入れている中、早道教育も同様のトレンドを取り入れるだろう。

 

 

■ネット発食品ブランド「三只松鼠」上場

 

三只松鼠

三只松鼠

 

 3匹のリスのイラストが目印のお菓子を扱う食品ブランド「三只松鼠」が、深セン証券取引所に上場した。現在でこそスーパーやコンビニなど様々な店舗のお菓子売り場で同社食品を見かけるが、元はといえば、オンライン限定で販売していたブランドだ。

 これまで中国産食品はイメージは良いとは言い難く、ネット発の食品というのは鬼門であった。三只松鼠の成功により、後に続けと食品系スタートアップが続々と登場し、良い品質の製品がECサイトを主戦場として売られるようになった。

 

 

■英語学習アプリ、外国のニュース転載で行政処罰

 

 上海市のネット担当部署「上海市網信弁」は、英語学習アプリ「毎日英語听力」を行政処罰した。「毎日英語听力」が大量の中国国外のニュースを転載している行為が違法行為にあたり、「ネットの情報伝播の秩序を乱した」としている。毎日英語听力は上海市網信弁の行政処罰を受け入れるとし、違法行為を停止すると発表した。

 

 

■小米がForbes世界最短記録世界500強入、中国では4社目

 

小米は世界中に展開(写真はロシア)

小米は世界中に展開(写真はロシア)

 

 米ビジネス誌「FORTUNE」の世界企業売上ランキング500で、スマートフォンほか、最近はスマート製品に力を入れる小米(Xiaomi)がランクインした。中国のインターネットでは、ジンドン(京東、JD)、アリババ(阿里巴巴)、テンセント(騰訊)に続く4社目。小米は2010年4月に設立され、9年でForune世界500に名を連ねたが、これは中国のネット企業では最速記録になる。

 

 

■上半年のネット流行語、「996」や日本関連の「awsl」など

 

上半年の中国ネット流行語の一つ「awsl」

 

 上半年のネット流行語が様々なメディアやブログから発表された。目立っていてかつ覚えやすいのが、「996」と「awsl」だろう。

 「996」は、朝9時から夜9時まで週6日働くというIT企業のブラック勤務について表現する単語だ。もうひとつの「awsl」は、アニメなどで「可愛すぎて死ぬ」「萌え死ぬ」という意味で、ビリビリなどの動画サイトのコメントによく流れる。「あー我死了(あーは口偏に阿の感動詞)」が語源だが、「あー、私は死んている(A Watashiwa Shintei Lu)」という語源説も。アニメ好きの中国人との会話に活用するといいかもしれない。

 

 


中国ITライター 山谷剛史山谷剛史(Takeshi Yamaya)

フリーランスライター。
2002年より中国・アセアン諸国・インドのコンシューマーIT中心に、「ニュース+実体験」をもとにリアルな現地事情を執筆している。
連載は『中国トレンド通信(日経トレンディネット)』『ニーハオ!中国デジモノ(同)』『ミライチャイナ(ITMedia)』『アジアIT小話(ASCII.jp)』など多数。
著書は『中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立(星海社新書)』など。

https://about.me/yamayat


 

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