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中国IT動向をキャッチアップ!月刊中国ネットニュースまとめ【2019年5月号】

中国在住ITライター山谷剛史さんが現地で集めたネット関連ニュースをまとめてお届けします!

 

中国IT動向をキャッチアップ!月刊中国ネットニュースまとめ【2019年5月号】

 

変化の速い中国の状況を把握するために、ぜひチェックしておいていただきたい中国のインターネット関連ニュースを現地在住のITライター山谷剛史さんがまとめてご紹介します!

今月も日本からはなかなかつかみきれないリアルな動向をまとめてキャッチアップ出来ますので、ぜひ最後までチェックしてください。

 

 

■Steamに対抗するテンセントのWeGameXが登場

 

Steamに対抗するテンセントのWeGameXが登場

WeGameX

 

 パソコンでハイクオリティなゲームが楽しめる「Steam」というサービスがある。一方で、テンセント(騰訊)がリリースする「WeGame」は、Steamに対抗する、あるいは中国でも似たようなことができるといえるサービスだ。この「WeGame」の外国向けサービス「WeGameX」がスタートし、日本からでも遊べるようになった。

 クレジットカードでのゲームの購入が可能で、現在のところ主に中国発のゲームが楽しむことができる。Steamと同様、購入後2週間以内、プレイ時間2時間以下の場合は返金可能となっているため、未知数の中国ゲームについてお試しプレイも可能だ。

 

 

 

■Amazon中国、中国向け国内EC業務を終了

 

Amazon中国。越境ECサイトとしては知られている

Amazon中国。越境ECサイトとしては知られている

 

 Amazon中国(亜馬遜中国)は、7月18日に中国向けEC業務を終了すると発表した。Kindleと越境ECとAWS(アマゾンウェブサービス)業務は継続する。調査会社のiResearchによれば、中国B2CのEC市場において、2008年には15.8%のシェアだったのが、2015年には0.9%まで縮小したという。

 Amazonは2004年にECサイトの卓越網を買収後、2007年に名前を卓越亜馬遜へ、さらに2011年に亜馬遜中国へと名前を変えた。また横文字が苦手な中国のネットユーザーにも分かるようにと、ドメイン z.cn を取得し、Amazon.cnにリンクするようにするなど努力も行っていた。しかし中国のECサイトが普及していく中で、Amazon中国はシェアが低下していった。

 

 

 

■画像素材サイトの著作権問題が明るみに

 

視角中国

視角中国

 

 世界初のブラックホールの画像が話題となった。4月10日に世界各国のニュースで取り上げられたブラックホールの画像が、翌日の11日に、映像や音楽の有料素材サイト最大手「視覚中国(Visual China Group)」で、800元~3000元(約1万2800円~4万8000円)という価格で販売された。ニュースで報じられた画像を勝手に拝借して有料で販売しているわけだ。

 視覚中国はネットで話題となり、多くのメディアやネットユーザーが、他にも問題の画像素材はないかと検証したところ、国旗や企業ロゴまでもが有料で販売されていた。権威ある中国中央電視台や人民日報などがこれを一斉に指摘してさらに騒ぎは大きくなった。ほかにも日本のアニメをはじめとした、どこかから拝借したであろう画像も販売されていた。

 一連のニュースにより、視覚中国をはじめとした有料素材販売サイト(プラットフォーム)の海賊版問題にフォーカスがあたった。今後画像素材の利用が厳格化していくかもしれない。

 

 

 

■中国版TikTokこと「抖音」、映画方面を強化

 

 バイトダンス(字節跳動)の中国版TikTokこと「抖音(ドウイン)」は、阿里電影など映画会社6社と戦略的提携をすると発表した。抖音と映画会社は音楽やコンテンツのプロモーションやデータ分析などで提携を行っていく。今後1年間で40作品以上の抖音と提携した映画タイトルが出てくるという。

 映画のプロモーションだけでなく、映画内の音楽はTikTokのようなショートムービーでもニーズがある。ある映画の挿入歌を活用した抖音上のコンテンツ数は240万、いいねの数は合計で10億超総ビュー数は50億に達したという。抖音サイドも映画サイドもどちらにも非常に意味のある提携話なのだ。

 

 

 

■山東省の省都「済南」がコンテンツ検閲を担う都市のひとつに

 

コンテンツ検閲産業があるとされる天津

コンテンツ検閲産業があるとされる天津

 コンテンツの審査は今後山東省の省都「済南」が担うことになるという報道がされた。南方週末の記事「済南,新的互聯網審核之都」によると、政府メディア「人民網」が人民網が済南に新しいコンテンツ審査プラットフォームを建設し、ここで、様々なメディアの検閲をおこなっていくだろうという。

 済南には人民網だけでなく、様々なネット企業がネット検閲を行っていて、多くの人々が検閲に携わっている。中国のメディアの記事の多くが、済南で検閲を通したものとなる。コンテンツ検閲を担う都市としては済南以外にも天津、武漢、西安、重慶、成都の都市名が挙がっている。

 

 

 

■配車サービス、大手ネット企業が参入し、さらに激しい競争へ

 

 中国の配車サービス(中国語で網約車)といえば滴滴(Didi)が定番でありシェアも高いが、大手ネット企業の美団点評や旅行予約サイト大手の携程(Ctrip)も配車サービスに参入する。

 価格面や車の数で競争することが予想されるが、3月にも配車サービスの運転手が乗客を殺害したり、乗客が運転手を殺害するといった物騒な事件が起きている。人々が安全面について気になる中で、安全対策も各社が強化し、競争がおきるかもしれない。

 

 


中国ITライター 山谷剛史山谷剛史(Takeshi Yamaya)

フリーランスライター。
2002年より中国・アセアン諸国・インドのコンシューマーIT中心に、「ニュース+実体験」をもとにリアルな現地事情を執筆している。
連載は『中国トレンド通信(日経トレンディネット)』『ニーハオ!中国デジモノ(同)』『ミライチャイナ(ITMedia)』『アジアIT小話(ASCII.jp)』など多数。
著書は『中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立(星海社新書)』など。

https://about.me/yamayat


 

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