中国マーケティングラボ

中国IT動向をキャッチアップ!月刊中国ネットニュースまとめ【2018年8月号】

中国在住ITライター山谷剛史さんが現地で集めたネット関連ニュースをまとめてお届けします!

 

中国IT動向をキャッチアップ!月刊中国ネットニュースまとめ【2018年8月号】

 

変化の速い中国の状況を把握するために、ぜひチェックしておいていただきたい中国のインターネット関連ニュースを現地在住のITライター山谷剛史さんがまとめてご紹介します!

今月も日本からはなかなかつかみきれないリアルな動向をまとめてキャッチアップ出来ますので、ぜひ最後までチェックしてください。

 

 

■情報産業省にあたる工信部、インターネット企業100強を選定

 

情報産業省にあたる工信部、インターネット企業100強を選定

 

 情報産業省にあたる中国政府工業和信息化部は、中国インターネットトップ100企業を発表した。

 それによると、1位から3位まではBATと呼ばれるECの阿里巴巴(Alibaba、アリババ)、SNSやゲームの騰訊(Tencent、テンセント)、検索の百度(Baidu、バイドゥ)が続き、4位にはECの京東(JD、ジンドン)となった。この4位までを合わせてBATJと呼ばれることもよくある。

 5位から7位まではスマートフォンが普及していないころの旧3大ポータルサイトが続き、5位はメールやコンテンツなどの網易(NetEase、ネットイース)、6位は微博などの新浪(Sina、シナ)、7位は動画や第2の検索サイト「捜狗」で知られる捜狐(SOHU、ソーフ)となった。

 8位からは口コミやクーポンの「美団」と「大衆点評」で知られる「美団点評」、セキュリティで台頭した「360」、スマートフォンだけでなくスマートデバイスに注力する「小米」、日本の若者にも人気の「Tik Tok」やブログニュース「今日頭条」で台頭した「バイトダンス」が続いた。

 100強の発表なのでこれ以下にも続くが、今あげた上位企業は覚えておきたいところ。

 

 

 

■広州の裁判所、微信(WeChat)や支付宝(Alipay)やショートメールが証拠に

 

 広東省の地方裁判所である広州市南沙区人民法院は、裁判でメール、ショートメール、微信、QQ、支付宝のログを証拠にできるとし、話題となった。これは同法院が発表した「互聯網電子数拠証拠挙証、認証規程」によるもの。同法院によれば、2016年以降インターネットのログを証拠とした裁判が急激に増えているとしている。

 規定発表後、早速これを活用した労働争議の裁判が行われた。入社前に微信で提示された雇用条件の説明と入社後の実際が異なるとして、元社員が企業を相手取って提訴している。

 

 

 

■地図アプリ大手「高徳地図」から配車サービスが利用可能に

 

地図アプリ大手「高徳地図」から配車サービスが利用可能に

左:高徳地図、右:曹操専車

 

 「百度地図」と並び地図アプリ最大手で、アリババ陣営の「高徳地図」から、配車サービスの「首汽約車」「神州専車」「曹操専車」などを予約することができるようになった。これに伴い、曹操専車を3割引、首汽約車で最大25元引などの利用キャンペーンを実施。配車業界最大手の「滴滴出行」のシェア切り崩しを目指す。高徳地図は、すでに相乗りサービス「順風車」を一部都市でスタートしていたため、本格的に配車サービス業界に参入したことになる。

 8月に滴滴出行の滴滴出行は乗客相乗りサービス「順風車」で、ドライバーによる若い女性乗客への殺人事件が再度(2度目)発生したことから、順風車サービスを停止した。その影響で高徳地図の順風車サービスも、いったん停止している。

 

 

 

■滴滴、ソフトバンクとともに日本でオープンなタクシープラットフォームを提供開始

 

 滴滴出行とソフトバンクは、日本でのDiDiモビリティジャパンを設立し、全てのタクシー事業者が利用できるオープンなタクシープラットフォームを提供すると発表した。2018年の秋から順次、大阪、京都、福岡、沖縄、東京やその他の主要都市でトライアルとして無償で提供開始するとしている。

 

 

 

■百度と京東、それぞれ自動運転車への開発に進展

 

百度が提供する自動運転システムのプラットフォーム「Apollo(アポロ)」を搭載した自動運転バス「Apolong(アポロン)」

百度が提供する自動運転システムのプラットフォーム「Apollo(アポロ)」を搭載した自動運転バス「Apolong(アポロン)」

 

 百度は第2回百度AI開発者大会において、L4級の自動運転バスの生産が100台となり、北京、深セン、武漢などで商用化を行っていると発表した。また中国EV(電気自動車)大手の「BYD」とも提携することを発表。日本関連では、ソフトバンク傘下のSBドライブが、百度が提供する自動運転システムのプラットフォーム「Apollo(アポロ)」を搭載した自動運転バス「Apolong(アポロン)」の日本での活用に向けて協業する。

 

京東の無人配送車

京東の無人配送車

 

 大手ECの京東(ジンドン)は、地図サービス「京東地図」を発表した。この京東地図は人向けではなく、無人配達車向けのもの。同社は6月18日や、11月11日などの中国のECセール日において、無人配達車やドローンや無人倉庫などを披露しているが、京東地図の発表は、それに本腰を入れていることを示している。

 

 

 

■シェアサイクルのofo、海外でも勢いに陰りか

 

中国のシェアサイクルは外国でもあれば便利であることに変わりない

中国のシェアサイクルは外国でもあれば便利であることに変わりない

 

 シェアサイクルのofoがドイツやイスラエルやオーストラリアやアメリカ・シアトルから撤収する。2017年末までに20カ国に進出するという目的を掲げ、海外20カ国に展開していたが、撤退により17カ国となる。米国シリコンバレーなど、ニーズの高い地域にリソースを注力するとのこと。

 中国国内でも、車両利用時に5秒間動画広告を見せる方針に転換し、ラスト1マイルを移動する車両でスピーディーに移動できなくなった。またMobike、ofoともに指定の場所に駐輪しないと5元の罰金をすると発表したり、ofo自体が滴滴に買収されるという噂話が出るなど、ポジティブなニュースが報じられていない状況だ。

 

 

 

■シェアサイクルの小鳴単車が破産

 

 シェアサイクルでは、青い車体が特徴の小鳴単車が破産した。小鳴単車は中国全土10数都市に43万台を展開しているが、破産に伴い、中国再生資源開発有限公司が1台につき12元(約200円)で回収するとしている。

 

 

 

■支付宝や微信支付でのやりとり、政府系の「網聯」が仲介へ

 

網聯の登場で、下のように間に銀聯が挟まる

網聯の登場で、図のように間に銀聯が挟まる

 

 7月1日より、それまで支付宝や微信支付と銀行が直接金銭をやりとりしていたが、両者の間に中央銀行傘下の「網聯(網聯清算有限公司)」が介入することになった。これにより支付宝や微信支付でのやりとりのデータが中央銀行に行き、国が管轄することでより安全に取引できる、としている。この施行は、2017年8月に発布した通知「関于将非銀行支付机構網絡支付業務由直連模式遷移至網聯平台処理的通知」によるもの。

 

 

 

■百度、版権保護を目指したブロックチェーンによる画像管理サービス「百度図騰」

 

百度、版権保護を目指したブロックチェーンによる画像管理サービス「百度図騰」

ブロックチェーンを活用したサービス「百度図騰」

 

 検索で知られる百度は、ブロックチェーンを活用したサービス「百度図騰」をリリースした。百度図騰では、画像を登録することで登録した画像に版権DNAをつけて、転載されてもオリジナルの配信場所をさかのぼることが可能となるという版権保護が目的のサービス。百度によると、今後テキストや、動画や、映像にも展開できるという。

 

 

 


中国ITライター 山谷剛史山谷剛史(Takeshi Yamaya)

フリーランスライター。
2002年より中国・アセアン諸国・インドのコンシューマーIT中心に、「ニュース+実体験」をもとにリアルな現地事情を執筆している。
連載は『中国トレンド通信(日経トレンディネット)』『ニーハオ!中国デジモノ(同)』『ミライチャイナ(ITMedia)』『アジアIT小話(ASCII.jp)』など多数。
著書は『中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立(星海社新書)』など。

https://about.me/yamayat


 

Weibo公式の中国向け広告コンテンツ拡散支援サービス「WEIQ」

Weibo公式の中国向け広告コンテンツ拡散支援サービス「WEIQ(ウェイキュー)」は
中国向け越境ECや訪日中国人へのプロモーションに最適!

中国SNSのインフルエンサーの影響力を活用し広告コンテンツの拡散を強力にご支援します!

<サービス詳細> https://www.aainc.co.jp/service/weiq/

関連する記事

ページTOPへ

キャンセル

キャンセル